前回は「発汗」について東洋医学的に考えてみました。

東洋医学は古く昔からありますが、今の時代と病も人も大きく変化したわけではありません。

今も昔も東洋医学は、目の前の患者さんを治すためにあるのです。

ということで、「発汗」も治おすために整理しました。

今回は、「しんどさ」ですね。

「しんどい」も言葉は同じでも、その意味が違うと治しかたも違ってきます。

まず、「しんどい」という事を整理していきましょう。

「しんどい」は誰もが感じる普通の感覚ですが、あまりにも普通過ぎて色々な「しんどさ」があるのです。
色々あるので、なぜ「しんどく」なっているかがわかりにくい。

「しんどい」＝　色々ある　→　わかりにくい
わかりにくさ＝治しにくさ

となってしまいます。

「しんどさ」の色々をみていきましょう。

・体が疲労していても、
・ココロが疲労していても、
・お腹がすいて力がでなくても、
・痛みが酷くて我慢していても、
…「しんどい」と感じることがあるのです。

では順番に考えていきましょう。

➀体が疲れて「しんどい」

 

肉体疲労ともいいます。
体を動かすことで、体力を消耗して疲労し「しんどさ」を感じます。

肉体疲労　→　体力を消耗　→　しんどい

＠この体力の消耗を東洋医学では「気血」や「臓腑」が消耗していると考えます。

エネルギーが有る≒「気」が有る　…　と考えます。
（東洋医学での、「気」は飛んでモノを破壊しません…）

「血」も血液なので栄養や酸素などの活動に必要な物質を運んでいますね。
　

おそらくですが、昔の人は考えました。貧血やケガなどで出血すると「しんどい」と感じるが…
べつに貧血で無く出血しなくても「しんどい」と感じることがある。でも、何かが足りないに違いない

→では、「気」という目に見えない何か？見えないエネルギーが有るのではないのか？

見えないので、その目では確認できないが、

事実として何かある＝気があると考えていこう。

（なんせ、名前が無いと治すときも考える時も不自由ですから…）
…あくまで個人的な妄想ですが、顕微鏡も無い時代にその時にあるもので病を治そうとしたのですから、とても現実的なコトと考えます。

だから気も血と同じように、ぼんやりと有るか無いか不安定なものでなく、存在すると考えてもらえると助かります。
（東洋医学の「気」は現実的な法則がありますので、なんでも治すわけでもありません）

「気血」どうやって産み出すか、これが上手くいかないと、体が疲れて「しんどく」なります。

一つは食べ物の栄養から。

人が活動するためのエネルギーとして、食べ物飲み物とを胃腸で消化吸収して、それらを元にして「気血」産み出されていると考えます。

二つ目に呼吸でとりこむ酸素で活動

呼吸なら「肺」が働き、
飲み食いすると、胃腸などの消化器が働きます。

…などなどの臓腑が働き、「気血」は産み出されて回復します。
当然、この臓腑が働き過ぎるなどで、弱ると「気血」が足りなくなり「しんどく」感じることもあります。

三つ目は睡眠。

寝ないと体力が回復しませんし、食事や呼吸だけでは「気・血」は回復しません。

睡眠時間を削ると、頑張って気を張って一時はしのげても、徐々に「気血」は消耗してゆき、弱っていくことになります。

といっても、適した睡眠時間も一人一人違いますし、年齢によっても変化します。
また、熟睡できたり、眠りが浅かったり、眠りの質も大事です。

気持ち良く眠ることで体と「気・血」は回復します。

 

最後に今回の「体が疲れてしんどい」を整理しましょう。

エネルギー不足でのしんどさ。

体の疲れ　→　体力の消耗：気血の消耗　又は　臓腑が弱る　→　「しんどい」

となります。この場合は、十分な休息をとる・弱ったツボを補うことによって回復させる必要があります。

まとめると
・「しんどい」にも色々ある。
・体の疲労による「しんどさ」の場合は、「気」「血」が減って不足したり、「臓腑」が弱っていると考える。

そして、不足した「気・血」を産み出す回復させるために、

➀食事
➁呼吸
③睡眠
が大事になってきます。
これらが、おかしくなっても「しんどく」感じるのです。

次回は「しんどい」と空腹・ココロ・痛みなどの関係になりますのでよろしく。

 

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